視覚詩(形象詩):『流浪放浪、癒し旅』|妖精と不思議が、あなたの傷を癒します。|創作

詩・視覚詩

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『流浪放浪、癒し旅』縦読みリンク

 足が勝手に動き出しました

 猫を見つけた!

 猫は僕を探してキョロキョロ警戒中

 今は僕の方が気まぐれである

 今に驚かして からかってやろうかな

 大好きな君を想う

「痛い痛い痛い!」

 地面くんが 足を押し返す

「オイラも!」

 ついでに 雑草くんも

 ごめんよと下に

 近づいて、近づいて

 足を軽くする

 靴を脱いで、優しく歩く

「ありがとう」と地面くん

「気をつけてよね!」と雑草くん

 ありがとう!

 よし、後ろで

 ちょっと一休み

 君がいるから、僕はいる

 川だ 川が流れてる

 無の流れにつられて僕の心も透明になる

 鳴るとクリオネ

 嗅ぐとミント色

 なめると蜂蜜

 歌えばロマンス

 祈れば天界

 潜ればカンブリア

 どこまでも どこまでも

 流れてゆけ

 続いてゆけ

 切り開け

 どこまでも どこまでも

 君の隣で考えながら歩いていたい

 鐘の音がカララん カララん

 聞こえて

 もう帰る時間

 けれどもう少し

 あっ、青い鳥

 途端に鐘は壊れ音を失い

 時の制約を打ち破り

 僕の焦りは鳥の声に

 戻るか?

 いいや

 まだまだ浪浪

 君と僕には同じ穴が開いている

 妖精が飛んでいる

 追いかけ 追いかけ

 捕まるなよ うまく逃げろよ

 僕は君を見ていたい

 触れようだなんて思わない

 だって君は

 この世界より

 素的で

 綺麗で

 美しいから

(美しき妖精の姿)←「筆者からのひとこと」をご覧ください。

 不思議な、不思議なこの出逢い

 巡り巡りて次は誰に

 僕にも君にもわかりません

 わからず不思議に、傷を癒します。


       流浪放浪、癒し旅

2021年5月19日 執筆

         著者 八坂零(やさかれい)

         掲載 芸術の星座

 最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

 いかかだったでしょうか。『流浪放浪、癒し旅

 まずは、美しき妖精の姿を貼り付けておきます。

▲写真:美しき妖精の姿

 世の中に迷って、巡って、そして出逢った妖精である「君」。彼女はとても美しく、綺麗で、触れることはできない。
 それでもどこか運命を感じてしまう「僕」は、その運命に、不思議と傷が癒される。

 みなさんには、人に言えないようなちょっと不思議な体験をしたことがありますか?

 よく心理学の世界では、小さい頃に妖精を見たというこどもの話が出てくるそうです。これをどのように解釈するか、私は心理を専攻していた人間ではないので、解釈は無限にあるように感じます。

 そのこどもというのは、どうやら妖精と出会ったことがきっかけで大人になっていくそうです。信じられないような体験も、それは本人からしたら真実の体験。寄り添って一緒に同じ方向を見ていくのが大切だということなのかもしれません。

 さてさて、どこかテンポの良さのある今回の詩、みなさんはどのようにお読みになるのでしょうか。単調に? それとも歌うように? 呟くように? ぜひ、知りたいです。
 個人的には、川の流れの部分(2ページのはじめ)をスキップするように読むのが好みですが、みなさんはどこが好みでしょうか。

 それから、この奇妙な視覚(形象)に、みなさんの傷が少しでも癒されるような感覚がありましたら、私はとても幸福です。

 癒しを得られて余裕が出てきましたら、もう一度傷と向き合うかの如く、考える詩を。

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