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眠れないともがく布団の中
いっそ夜へと飛び出していく
時間は真面目で
不良品の僕を置き去りに
決まった通り進んでいく
その速さについていけなかった
静かな闇で、僕は独りで待っていた
明日は何もせずともやってくる
そのはずなのに、眠れない
呼吸もできない
肺は凍っていくばかり
それでも叶えたい夢があったから
耐えて忍んで望み続ける
風がこめかみを通り
踵が地面を蹴り出した
あまりの自然さに思わず笑う
瞼は重く辛いけど
胸の苦しさは消えないけど
仕方ないことだったんだとなんとなく思う
頑張ることはもうできないけど
工夫を凝らしていこう
眠れぬ日々は
明日も
その次の日もまた次の日も
僕が負けるまで襲い掛かるのだろう
その度に
午前五時の朝焼けと
色づいていく空色に
上を向いて出逢おう
――さあ、今、夜明く
夜明く
2025年2月24日 執筆
著者 八坂零
掲載 芸術の星座
筆者からひとこと
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
いかかだったでしょうか。『夜明く』
こちらは時間をかけた作品ではないため、普段と比べると、そこまで出来栄えの良い作品ではないかもしれません。
みなさんは夜眠れないとき、どのような感覚になりますか?
筆者は、頭がふわふわとしてきて、こうして詩を書いてしまったり、気持ちが下がる場合がほとんどです。ですが、そんなときこそ夜の散歩へ出かけてみたりします。
そうすると、いつもとは違って見える真夜中の世界で、落ち着きを取り戻すことができます。空気が澄んでいて、人ばかりである都会の荒波から解放されるようでとても気持ち良いです。
夜に悩むすべての人たちへ、長い長い夜が明けますように。願いを込めて。
みなさんのふと上を向くきっかけとなってくれたら幸いです。さあ、今、夜明く。
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